日本では、昔から子供の健やかな成長を願った伝統行事が多くありますが、時代と共にその年中行事も薄れて行き、教えてくれる人も少ない事からこのような悩みを持つ若い主婦が増えているようです。
そこで今回は、端午の節句に欠かせないとされる菖蒲について由来や飾り方、菖蒲湯の効能ややり方の解説になります。
端午の節句に欠かせない菖蒲の由来
子供が生まれると、親たちはその子供の成長を願って様々なお祝い事を行います。
特に男の子が生まれた場合、年中行事の一つに「端午の節句」がありますが、5月になると家族はその子の健康を願って「5月人形」「兜・鎧」「こいのぼり」などを飾り、共に「柏餅」「ちまき」などを供えて親戚や両親を交えて内輪で祝ったりします。
また、もう一つ忘れてならないのが「菖蒲」ですが、昔から「端午の節句」を「菖蒲の節句」と呼んだほど本来は菖蒲が主役だったとされています。
そんな菖蒲は、細長い葉が縦に並んでいる様子を剣にみ立て、「勝負」又は「尚武(武を尊ぶ)」に通ると言う験担ぎが由来と言われており、武士道を尊び、丈夫で強い男の子に育つようにと言う願いが込められ、それが厄除けと立身出世を願う男の子の節句に用いられるようになったとされています。
端午の節句の菖蒲の飾り方はいろいろ
端午の節句には、祖父母から「こいのぼり」が贈られ、授かった男の子の健やかな成長を願い、大空高く幟をたてて飾ります。
また、部屋には「鎧・兜」や「5月人形」を飾り、「柏餅」と「ちまき」などを供え家族中で祝ったりもします。
更に、端午の節句と同じ時期に咲くとされる菖蒲も大切であり、昔から邪気を払うとされてきたため、飾る家庭も珍しくはありません。
その飾り方は、生け花のように飾ると言うわけではなく、家に悪い気が入ってこないようにと「家の軒先に吊るしたり、屋根に放り投げたりする」事で厄払いをします。
また、菖蒲の葉を頭に巻くと賢くなるとも言われており、子供の頭に巻く御家庭もあるようです。どちらにしても災いを祓うと言う意味合いが込められている事は確かなようです。
端午の節句の菖蒲の湯の効能とやり方
そもそも菖蒲とは、サトイモ科の仲間であり、同じ漢字を使う花菖蒲(アヤメ)とは違う植物になります。
その為、菖蒲にはアザロンやヤオイゲノールと呼ばれる精油成分を含むため、血行促進や腹痛に効くなど様々な効果があり、特に根は解熱、傷薬などの効果がある為、中国では昔から薬草として使われる事も多く、厄除けや邪気祓いなどの行事などにも利用されてきたようです。
また、日本では女性が身を清める為の風習として田植え前に使われる事もあり、元々は女性に使われた植物だったようです。
それが、剣のような葉の形から、また尚武と勝負の験担ぎとして男の子の成長を祝う節句に用いられるようになったのですが、この菖蒲、お風呂に入れると驚くほどの効能が期待できるようですよ。
日本では端午の節句には菖蒲湯に入ると言う習わしがありますが、そのやり方としては、湯を沸かす前の水に10束ほどに括った菖蒲を入れて沸かしてから入浴します。
すると、お湯が温められる事で更に成分の効果が発揮され、血行促進や香り成分によってはリラックス効果も高くなると言われています。
また、成分は葉よりも根に多く含まれており、葉と一緒に根の部分も細かく刻み網などに入れて湯に入れれば更に高い効果が期待できます。
子供さんと入浴するときは、頭に菖蒲を巻く事も良いですが、葉の上下を千切り、横にした葉を口にあてて息を吹けば音が鳴るのでハーモニカ演奏としても楽しめるのではないでしょうか。
まとめ
端午の節句の菖蒲についてお伝えしてきました。参考になったでしょうか。
何時の時代も子供の健やかな成長を願う事は同じであり、昔から伝わる伝統行事には必ず意味のある事が多いものです。
次世代に繋げるためにも、伝統行事は大切にしなければならないと言えますね。
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